ワンちゃんは暖かい被毛に包まれています。夏の暑いとき、ワンちゃんの毛をみて「暑そうだなぁ…」と思った飼い主様も多いのではないでしょうか？
人間は毛穴など全身の汗腺から汗を出すことができます。汗の水分が蒸発するときに熱が奪われ、体が熱くなりすぎるのを防いでいます。（ちなみに、人間には個人差がありますが500万個の毛穴があるとか！）
ワンちゃんも汗をかきますが、体温調整のための汗をかく「エクリン腺」という汗腺は、主に肉球や鼻等にしかありません。（アポクリン腺という汗腺が全身にありますが、これは体温調整よりもフェロモンの役割が強いといわれています）そのため人間よりも体温調節が苦手で、舌をだらーんと出したり、激しく呼吸して唾液を蒸発させ、その気化熱で体温調整を行っています。
気温30度を超えるような日本の夏では、ワンちゃん自身の体温調整にも限界があります。
飼い主様による環境管理が大切になってきます。

日射病や熱射病、そして熱中症はワンちゃんにも起こります。

こんな症状は要注意！熱中症の初期症状かもしれません。
（他の病気の事もあります。おかしいな？と思ったらすぐに病院に連れて行ってください）

熱中症の場合、体を冷やしたり、水分補給が必要となります。
水分補給といっても、実は『水』だけでは不十分です。たくさんのミネラル等が不足している状態ですので、かかりつけの獣医師さんに相談してください。
また、すぐに回復したように見えても、内臓がダメージを受けている場合もあります。必ず病院に行くようにしてください。

ワンちゃんは寒さに強い個体が多いですが、暑さには弱い…という傾向があります。 一番大切になるのは温度と湿度の管理です。 ダックスフンドなどお腹が地面に近い犬種やパグなどの短頭種、子犬、病中・病後の犬、老犬など体力や抵抗力が少ない状態の時はさらに気をつけなければいけません。

涼しくするためには？

• 冷房
  室内を締め切って冷房無しでワンちゃんが過ごすということは大変危険です。暑い日は適切に冷房を使うほうが良いでしょう。
• 冷却マット・アルミ板
  冷却マットやホームセンターなどで販売しているアルミ版（角がとがっていないもの）を利用することで涼しく過ごしてくれます。
• 犬用クールダウンスプレー
  毛や皮膚にスプレーする涼しいグッズもあります。気化熱を利用して涼しく感じられるようになります。
  また、水を霧吹きなどでかけるのも効果的。
  ただし、ワンちゃんによってはスプレーなどを嫌がる場合もありますので、落ち着いているときにまずは少しだけ試してみてください。
• 小屋への日差しよけ
  屋外で飼育している場合、かならず日陰を作ってあげましょう。
  また、風通しが良いかどうかをチェックしてください。