社長取材企画

北海道に住む日本最速の四つ脚動物!!!
エゾユキウサギ

北の大地に生息する駿足のウサギさん



皆様こんにちは。
今回は北海道旭川市にある旭山動物園にご協力いただけることとなり、遠路はるばる兵庫県からやってきた!
旭川市旭山動物園
早速ですが、快く取材を引き受けてくださった飼育スタッフの中野さんへエゾユキウサギについて伺いました★


展示スペースに到着した際に、社長やまちゃんの第一声が「え、でかっ!!!」。


驚きを感じたエゾユキウサギの体重は約2.0-3.9kg*で、国内に生息する“野生のウサギさん“の中では最も大きい種類とのこと。 そのエゾユキウサギの細く大きい体格はネザーランドドワーフやロップイヤーと比較すると、明らかに大きく感じた。
*:旭川市旭山動物園のHP(エゾユキウサギページ)より引用

旭山動物園では現在、園内2か所で計4頭のエゾユキウサギを飼育している。


エゾユキウサギは北海道全域に生息しており、道民には比較的身近な野生動物であるとのことですが、どんな特徴をもつウサギさんなのでしょうか?
●脱兎の如く駆けられる脚
トップスピード時速70km


非常に俊敏であったり、迅速であることを逃げる兎(うさぎ)に例えて「脱兎の如し」ということわざがありますね。

ことわざの例にもなっている兎のようにエゾユキウサギはとても速く走ることができるそうだ。本気で駆けた際にはトップスピードが時速70km以上になるとのこと。 このスピードは国内の四つ脚動物では最速といわれている。
エゾユキウサギのトップスピードは人の生活で例えるのであればバイパスだけではなく、高速道路も自動車と同じくらい速く走れるというわけだ。


うさぎさんと言えばぴょんぴょんカンガルーのように跳ねるイメージが強いが、エゾユキウサギは文字通り真っ直ぐ水平に「走る」ことでその驚異的なスピードが出せると中野さんは話す。

逃げだすまでの3ステップ
エゾユキウサギが野生環境下で天敵である肉食動物に狙われた際、すぐに逃げるとは限らない。 それは天敵に見つかっているか“まだ”わからないからだ。下手に動いてしまうと、逆にエゾユキウサギが天敵に位置を教えてしまうこともあるからだ。
では天敵を見つけた際にはどうするのか?

①まずは“隠れる”
②とりあえず様子見で“動かない”
③見つかったら…とにかく“逃げる”!



リスキーな気もするが、肉食動物と戦えるような武器を持たないエゾユキウサギが生存する為には動かずにひたすら気配を消すことも大切な戦略の一つだそうだ。

かんじきの役割も担う
冬には雪の大地となる北海道で上手に走れるように、エゾユキウサギの足はペットとして飼育されているアナウサギよりも明らかに大きいという。 大きな足はかんじきのような役割を担い、雪の上にいても沈みにくくなっている。


●被毛が色変わりする希少な種類
エゾユキウサギと言われるとパッと思い浮かべるのは名前にもついている「雪(白)色」の被毛。

今回旭山動物園にいたエゾユキウサギは…


 …あれ?ブチ…まだら?
 なんなら茶色い子もいるぞ!?

実はエゾユキウサギの一つの特徴として、季節により被毛の色が変わるとのこと。



*被毛の色はその年の気候や個体により異なる場合がございます。

冬期に被毛が白くなることを"白化"と呼び、白化するノウサギ類は5種と非常に少ない。エゾユキウサギを含め、2種が日本国内に生息してるそうだ。

*写真:旭川市旭山動物園よりご提供いただいた、冬期のエゾユキウサギ。

今回はちょうど被毛の色が変わり始める時期だったようで、茶色の被毛に所々白色の被毛が入り混じっていた。
なんと被毛の色は赤ちゃんも生え変わるとのこと!エゾユキウサギの赤ちゃんは茶色の被毛が生えた状態で生まれ、その年の冬にはちゃんと白色に被毛の色が生え変わるそうだ。

●気温の対応能力がスゴイ!
北海道ともなれば冬は極寒の地。

旭山動物園では、夏は今年を例にすると36℃くらいまで最高気温が上昇し、冬は毎年-20℃近くになる。特に今年は暑かったと中野さんは話しますが、エゾユキウサギは体調を崩すことなく過ごしていたそうだ。 となると、一年間に50℃近い気温差がある屋外の大地でエゾユキウサギは適応しているということになる。


北海道の固有亜種の適応力に驚きだ!
●なるほど豆知識
・英名はマウンテン“ヘアー”!
「ウサギさんを英語で?」と聞かれたら、「ラビット」と多くの人は答えるだろう。 だがしかし、エゾユキウサギの英名は…なんと「マウンテン“ヘアー”」。 英語ではアナウサギ属の“ラビット(rabbit)”とノウサギ属の“ヘアー(hare)”は種類によって呼び分けられているとのこと。

・イチオシポイント
飼育スタッフの中野さんは、エゾユキウサギを見に旭山動物園を訪れた際には、環境の景色に溶け込むすごさを見てほしいと話す。意外と白色の被毛だけではなく、茶色の被毛も草が生えている時期には見つけるのに一苦労するとのこと!

*実は1頭ひっそりと映り込んでいるエゾユキウサギ

・子ウサギの誤認保護に気を付けて!
エゾユキウサギもニホンノウサギと同様に赤ちゃんを草むらの中に産み落として、親子が離れた場所で過ごす放置型の育児を行う。1日に1-2回の授乳頻度も含め、可能な限りそれぞれが分散して過ごすことで天敵に見つからないための生存戦略である。

▶ニホンノウサギ(キュウシュウノウサギ)の育児について

北海道でもエゾユキウサギの赤ちゃんが育児放棄されたと誤認され、しばしば旭山動物園にも相談の電話が入るそうだ。 エゾユキウサギのお母さんからしたら「子供が知らない間に誘拐されていた」とも考えられる悲しいことが起きないよう、皆様には正しい知識を有していただけると嬉しい。
【旭川市旭山動物園】
取材にご協力いただき、ありがとうございました!


ぜひエゾユキウサギを見に旭川市旭山動物園へ遊びにいってみてくださいね♪